加賀白山

かねて登りたい山の一つで数年前から周囲に声をかけていたのが、日本三霊山の一つ「加賀白山」(2702m)だ。 今年1月の八王子七福神巡り後の新年会で酔った?勢いで提案したら、意を同じする仲間がいて実現した。 ほんと! 「八」福神のご利益だ!(ブログ10.3.2)。 第99回ヤンハー会の山行記録。

8月2日(月)晴れ 遠く離れた白山まで南回りで東海道新幹線経由が我がLP(ライフパートナー)と小田原から参加の常連Kさんの計3名。 北陸線武生駅で武生の友人Uさんと待ち合わせてUさんのクルマで白山の麓「白山温泉」に前泊だ。 一方、北回り組M夫妻は八王子を早朝クルマで出発して途中信州中野でMKさんを拾って(すみません、捨て猫のようで・・・。 ピックアップして!)、加賀大聖寺の深田久弥記念館経由で白山温泉に向かった。

これもかねて泊まりたかった日本秘湯の会加盟の白山温泉の一軒宿「永井旅館」では金沢の友人Nさんが加わってその夜は山菜中心の郷土料理を味わった8人だ。 岩魚の「コツ(骨)酒」で再会を祝し、明日からの英気を養った。 総ヒノキつくりの浴室は改築したばかりか、気持いい!

8月3日(火)晴れ 登山をしないで麓散策組のNさんとLP、クルマ2台を宿に残して6時過ぎに出発。 別当出合(標高1258m)までシャトルバスで向かう。 下界は猛暑日、山の中はいささか涼しいとはいえ、30度を越す真夏日。 中飯場(なかはんば)、甚之助小屋の2箇所で冷たい水が豊富に飲めるのは白山の恵み・・・ 。 中飯場を過ぎた「別当覗」(標高1700m)付近でブナ林からダケカンバ、オオシラビソの亜高山帯に植生が変わる。 2000m付近では樹木がなくなってハイ松や高山植物の高山帯に変化する。 白山では絶滅したと思われていた雷鳥が70年ぶりに昨年6月2日雌の1羽が確認された。 乗鞍岳などから移ってきたと思われるが、その後の発見はない(日経09.6.6朝刊)。

ここより西に白山以上の高い山はなくて、高山植物の西限といわれ、ハクサンという名を冠した植物が20種もあると言われるほどに高山植物の宝庫でもある。 その一つハクサンコザクラ:

画像


森林限界を超えた南竜道分岐(2095m)で本道である黒ボコ岩経由で登る3人と、南竜ヶ馬場、トンビ岩経由で登る3人に分かれる。

南竜道から見た室堂以外のもう一つの大きな山小屋「南竜山荘」の美しい姿と環境・・・ 。 室堂に比べて圧倒的に人は少ないので、次回はここに泊まりたい。
 

画像


14:30 室堂に到着。 先着していた黒ボコ岩経由3名と合流。 大阪より参加して昨夜岐阜県大白川でテント泊した単独行のSさんとも合流。 今夜は7名が750名収容の大きな宿泊棟の一室の上の段に枕を並べる。 一部屋40人位収容だが、結局、向かいの上の段は朝まで空いていた。
小休憩後にビジターセンター主催の植物観察会に参加。



8月4日(水)晴れ 午前4時前、ご来光を参拝のため、暗いうちから出発。 白山神社奥宮の「ドーンドーン」という太鼓の合図が聞こえる。 宿泊したほぼ全員が頂上を目指した。 おおー!、雲海の向こうに穂高連峰、大キレット、槍ヶ岳、左へ行くと立山、尖っている剣岳まで見える! いつの間にか神主さんが岩の上に現れて、日の出までの約10分位の間、 「こんなに恵まれた天気の朝はない! あの山は、〇〇山 ・・・ 」と時々声は聞こえないが一生懸命な姿が見える。


画像5:05am 太陽が出きって、神主と一緒に全員が「バンザーイ!」 見知らぬ者同士が思わずひとつになった一瞬だ。

感激覚めやらぬ内にいくつもの池を回る「お池巡り」はアリの行列のような賑わいだ。 昨日の観察会のリーダーが今日も説明してくれるのだが、人が多いものだから容易に近づけない。 朝食開始の6:00前に室堂に帰着する時間配分はさすがだ。






早朝の室堂:
画像


朝食を終えた8時過ぎ、昨日登ってきた同じルートで下山するSさんとわかれ、一行6人は別当出合を目指す。 十二分に愉しませてくれたお花畑ともお別れだ。 エコーラインから昨日通った砂防新道経由で下山した。

以下は名文家Sさんの感想:

{北アルプスの山並みにうす雲がたなびき、灰色、茜色へと変化する様は「ここに顔を出すよ!」と言わんばかり。
一瞬、閃光が走った。その直後御来光。 5時01分、世界を黄金色へ染めてゆく。 かなりのスピード。
一時間で15度の移動。 と知ってはいるが感覚としてはもっと速い。 足元まで広がる雲海、城達也のナレーションが聞こえてきそう。
まさにジェットストリームの世界でした。 高山植物の散策 こちらも楽しかった。 なかでも黒ユリのエピソード*が面白く、識別できそう。}


画像*私も一緒に(生半可に?)聞いた黒百合のエピソードってなんだろう?と思って、白山自然保護センターのホームページを参考にしてまとめた。

花言葉は「恋、呪い」 ・・・ 恋はアイヌの伝説で「黙って黒百合の花を好きな人のそばにそっと置いておくと意が通じるという」 ・・・ うーん、やってみたい! 「黒百合は恋の花 愛する人に捧げれば二人はいつか結びつく ・・・」 という歌が昔、はやった、ですね? 武将佐々成政は富山からアルプス越えをして有名。 その成政が秀吉の正妻ねねに黒百合の花束を贈ったところ、喜んだねねは淀の君に見せたが、淀の君は別のもっと立派な黒百合を受け取っていた。 ねねは成政を呪い、やがて成政は秀吉に切腹させられる ・・・・ ほんと?


黒百合は臭い匂いを発するというので、北アルプスで鼻を近づけたことがあるが、私には感じられなかった。 蝶や蛾より高山では飛行能力に長けるハエ(ケブカクロハエ)に受粉を助けてもらうため、ハエの好きな臭い匂いを発する。
オシベだけの雄花と、オシベ・メシベの両方を持つ両性花(上の写真がそう)の2種類に別れ、個体が小さいとき(若いとき)は雄花1本だけをつけ、大きくなると雄花二つか、雄花と両性花か、両性花と両性花をつける。 ここらが種の保存のための不思議な世界!

花が終わると種子をつけるが、種子から花が咲くまでは6~7年かかる。 北海道ではクマが食べるという百合根(鱗茎)を大きくして仲間を増やしていくほうが容易のようだ。


さて、ここまでの冗舌にお付き合いいただいた方は白山コザクラか、それ以上の希少価値のある方だろう。 最後にどうしても紹介したいのは深田久弥「日本百名山」の「白山」の稿だ。 深田久弥は白山の麓に生まれ、白山を見ながら育ったので、文に抜きん出て実感がこもり、他の99の山の紹介より最も共感したのは私だけだろうか? 以下、抜粋したい。

「日本人は大抵ふるさとの山を持っている。 山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。 そしてその山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている。 どんなに世相が変わっても、その山だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎えてくれる。
(中略) 白山ほど、威あってしかも優しい姿の山は稀だろう。 仰いで美しいばかりでなく、登っても美しい山である。 私が初めて登ったのは中学生の時で、白山登山はまさに私の山岳開眼であった。 白山について語りだせばきりがない。 それほど多くのものをこの山は私に与えている。」


以下のデジブックに約70枚の写真を収録しています。 こちらにもお付き合いください。





飛騨・美濃 白山
橋本確文堂
白山国立公園岐阜県協会

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 飛騨・美濃 白山 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

絵はがきブック 白山
橋本確文堂
吉澤康暢

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 絵はがきブック 白山 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック